このブログをご覧の皆様。
こんにちは。
音響部の石井と申します。
制作奮闘日誌第7回は「音」がテーマです。
映像作品のとても重要な要素として、音は欠かせません。
(サイレント映画なんかもありますが、それは一旦置いておいて…)
また、音ひとつで映画の良し悪しが決まってしまうと言っても過言ではありません。
実際に映画制作の過程で何をするかと言いますと、
(1)撮影現場での演者さんの声や環境音を録音
(2)「フォーリー」と呼ばれる、あとからSEの録音
(3)アフレコ
(4)音素材を映像に乗せて、音量のバランスを取る
上記のように、大まかに4つの作業に分かれます。
現在終了しているのは(1)のみ!(泣)
と言っても(1)もまだロケが控えてますので、全てを録り終えたわけではありません。
残りの工程も、実際に上がってきた映像を観ながらではないと本格的に作業が進められないので、
撮り終えている映像から”(2)サウンドエフェクト録音、制作”作業を進めております。
ではここで、ひとつずつ詳細を見ていきましょう。
(1) 撮影現場での演者さんの声や環境音を録音
基本的には下記の画像のような、俗に「ガンマイク」と呼ばれるマイクで音を録ります。
ガンマイクはこのように長く伸ばし、カメラや演者の邪魔にならないようにしつつ、
出来るだけ音(例えば役者の声、ドアの閉まる音など)が拾える場所に近づけるようにして録ります。
ただ、これだけでは演者さんの声は拾いにくいので、アーマーの下などに「ピンマイク」と呼ばれる小型マイクを仕込み、セリフを録音します。
ですが!!今回の現場録音では、環境音(公道を車が走る音や木々が風で揺れる音など)が大きすぎてまともに使える音が録れなかったんです・・・!
ではどうするかと言うと、セリフは全て後述するアフレコで録り直しとなります・・・
撮影中、録音部の女子チームが収録機材の調整を行っている様子です。
(2) 「フォーリー」と呼ばれる、SE(サウンドエフェクト)の録音
この工程では、SEを作っていきます。
SEとは簡単に言うと、「効果音」のことです。
今回の作品、CYBERDIVEでよく聴くことになる効果音は「銃声」です。
この銃声ひとつを取っても、キャラクターが扱う銃ごとに微妙に異なってきます。
しかもこの銃声、実銃の音を録音する手法もあるのですが、日本で実銃が撃てるところがあるわけもなく・・・。
海外に行けば射撃場で実弾が撃てる場所もありますが、だからといって気軽に海外に行けるわけもなく・・・。
なので、それっぽい音を全く別の音から作り出さないといけないのです。
ダンボールを叩いたり、ビニール袋を破裂させたりと創意工夫を凝らしながら、
音を作っていくのが 「フォーリーアーティスト」と呼ばれる効果音制作のスペシャリストになります。
SEについては次回の音響部が担当するブログで詳しく解説したいと思います!
(3) アフレコ
来ました。 ある意味一番の難関と言っても過言ではないかもしれません。
撮影現場で録った役者さんの声は、環境音のせいで聞こえづらくなってる場合があります。
その場合、レコーディングスタジオに場所を移し、撮影した映像の口の動きに合わせてもう一度演者さんに同じセリフを喋ってもらわなければなりません。
これがかなり難しく、撮影時のテンションを思い出してそれの通りに演技する必要があります。
非常に高い技術が要求されます。
本当に大変なのです。
(4) 音の編集
さぁ、ここまできたら最終段階です。
BGM(別部署のお仕事)、SE、声の音素材が揃ったところで、出来上がった映像に合わせて音量の大小を整え、
視聴者に聞こえやすいようにバランスを調節していきます。
細かい作業まで上げるとキリがないのですが、この作業は少しずつ映画が完成していく様を実感できるので、
きっと楽しい作業になるはずです!
この工程が個人的にはすごく楽しみです。
簡単に説明してきましたが以上が「音響」のお仕事となります。
こういうお仕事はほとんどの映画で行われております。
これから映画を観るときには、「音」にも注目してみてはいかがでしょうか。
最後なりますが、僕もこの映画に出演しています。
一番左のそれです。
モブ役ですが・・・。
いやぁ、撮影はとにかく暑かったです(笑)
でもいい経験にはなりましたね。
次回の更新は11月16日となっております。
担当は編集部です!
次回も是非御覧ください。
大阪電気通信大学 デジタルゲーム学科 3年生
CYBER DIVE音チーム チーフ
石井俊英
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