大阪電気通信大学Vtuberプロジェクトの活動や、映像制作に関するニュースを発信しています。
外部アドバイザーの瑞無るくです。
久しぶりの寄稿になります。
ブログではこれまで、Vtuber関連で特にVroidStudioに関する点でお話をメインに差し上げてきました。
今回は、今後のことにも踏まえて Vroidのテクスチャの製作での流れで、
今できているといいかも?と感じる製作フローについてお話いたします。
1.ラスターとベクターの違いを知る
ラスターデータとベクターデータというようなことは、聞いたことがありますか?
簡単に申し上げると、以下の違いがあります。
ラスター | ベクター | |
解像度 | ピクセル単位 | 数式によって表現(拡大しても劣化しない) |
ファイルサイズ | 大きいとデータが多いい | 軽いが、GPU処理能力が必要 |
詳しい解説:ラスターとベクター:どちらが最適か
2.Vroidテクスチャは「ベクターデータ」で作るというススメ
今現状、Vroid Studio では、PC版だけではなく一部のiPadで使用できるようになりました。
iPadのスペックの関係で、解像度を1/2にする設定などがでてきました。
その後のことを思うと、解像度というのは時代に合わせて変わってくると感じています。
また、もっと工夫をすることが出来る方は、解像度を上げる方もいるとおもいます。
上記で違いをお伝えした通り、PhotoshopやClipStudioのピクセル単位で描画するファイル形式の場合は、どうしても拡大したときにピクセルノイズが出てしまいます。
Illustrator等ベクターデータで作成できるツールで作成することのメリットとデメリットをお伝えします。
3.ベクターで製作するメリット
- 拡大縮小でもピクセルノイズが出ない
- 素材配布・販売サイトでの.ai,.eps等のデータが転用できる(ライセンスは要確認)
- 素材を細かく作ると、別の衣装での転用にも使用しやすい
4.ベクターで製作するデメリット
- メッシュを用いたグラデーション編集ができるほうがいい
- 布や革といった素材感を表現することが非常に難しい
- 細かなディティールの表現は難しい(応用すればできる)
- GPU処理能力が必要(重ねると非常に重たいです。MacではGPU内蔵のM1コアでは厳しい場合も・・・)
5.実際に作った衣装のスクリーンショット
拡大してシェイプを選択するとこんな感じ・・・・
(牛革のような表現は、海外のロイヤリティーフリーのAI素材を使用しています)
用意したテクスチャは以下の4枚
6.実際に着てポージング
7.最後に
PhotoshopやClipStudioのほうが楽!と思われる方もいらっしゃると思います。
しかし、グラフィックデザインのスキルを身につけるには、ラスターデータで製作をすると、グラデーションのかけかたによるクオリティアップといった点や、影の付け方等を身に付けることができます。
これから、色々とつくってみたい!でも力をつけてみたい!
そういう方には、Illustrator等のベクターデータで何かを作るということを、おすすめいたします。
昨今では、広告等の印刷物だけではなく、WEBや様々な分野でもIllustratorが標準になっていますので、素材があればあるほど、仕事にも転用できます。
ラスターデータは作れば作るほど、ご自身の表現の種になります。
人によっては難易度は高いかもしれませんが、ぜひとも挑戦してみてくださいね!