大阪電気通信大学 公式VTuber

大阪電気通信大学Vtuberプロジェクトの活動や、映像制作に関するニュースを発信しています。

目次

 

はじめに

こんにちは!こんばんは?おはようございます!
音関係担当、デジタルゲーム学科2年生の斑鳩いかです!
約半年前、去年の12月に投稿された、クリスマスソング「カラフルホワイト」を作曲した人です。
季節は真逆ですが、ぜひ聞いて気持ちだけでも寒くなってください!(ダイマ)

初日乃うい、月城紗夜、双葉れいんの3人が歌うオリジナル曲。楽曲やMV制作の裏側をチラみせ中。(概要欄から)

 

レッツ、ジャズアレンジ!!

さて、宣伝はこのぐらいにして…
ついこの間、公開された道案内動画、みなさんはご覧になりましたか?
JR四条畷駅から四條畷キャンバス、京阪寝屋川市駅から四條畷キャンパス、同じく京阪寝屋川市駅から寝屋川キャンパスの3本が公開されています。
(結局宣伝じゃねーか)

この動画を制作している時、ある問題点が発生しました。

それは…

EDが元気すぎる!!!!!!

そう、いままでと同じED曲を使用すると、落ち着いた雰囲気から、急にたらららたららららーーーん!と始まることになってしまいます。
さすがに視聴者の耳と気持ちが置き去りは良くない。

ということを小耳にはさみました。そして私がとった行動は…

頼まれてもいないのにEDのジャズバージョンを作る!!!!!!

我ながらやばいやつですね…
ただ…まあ…ちょちょいとやればすぐ作れるので、まあいいかな…
最悪使われなくてもいいか…の精神で、2時間ほどかけて作りました。
もちろん、作曲者であるゆかり先輩には許可を取っています。むしろ先輩も乗り気でした。

ここからは、実際の私の作業画面をお見せしながら、お手軽ジャズ(風)アレンジの方法を解説していきたいと思います。

原曲はこちら。これをもとに作られたオリジナルソング、「OECU放送曲」もあります。(ゆかり先輩が作編曲)

(20:39から。本編もバラエティで面白いよ!)

 

0.楽器の編成を考える

実際にアレンジする前に、先に編成を決めてしまいましょう。慣れている人は、あとから決めても大丈夫です。
そもそも、ジャズといってもいろいろありますが、今回はカフェで流れていそうな、落ち着いた雰囲気にしたいので、以下の編成にしようと思います。

メロディ:ピアノ(右手)
コード:ピアノ(左手)
ベース:ウッドベース(コントラバス)
リズム:ドラム

他にも、トランペットやトロンボーン、サックスなどの管楽器や、クリーントーンのエレキギターなども合うかなーと思います。

 

1.メロディ

1-1. メロディの打ち込み

今回は、メロディを耳コピしました。楽譜がある場合は、それでも大丈夫です。

また、この段階で、もしキーがCメジャーや、#系の調(Gメジャー、Dメジャーなど)だった場合、♭系の調(Fメジャー、B♭メジャーなど)に移調しましょう。
基本的に、管楽器は♭系のキーが吹きやすいので、ジャズのスタンダードは♭系のキーになっています。

今回の場合は、もともとのキーがE♭メジャーなので、そのまま使います。
現段階がこちら。

(原曲のメロディ)

1-2. 跳ねたリズムにしよう!

ジャズには、シャッフルという特有の”ノリ”があります。
ジャンルは違いますが、ミ〇キーマウスマーチを思い出してみてください。たったたーというあのリズムです。

(雑なイラストでごめんなさい…)

楽譜的な話をすると、上記の通り、8分音符のリズムを、三連符のリズムに変えちゃいます。
元が16分音符のところは、適度に簡略化して、落ち着いた感じにしました。

後は、適度に半音や全音下の装飾音符を付けたり、わざと休符にしてタメをつくったり
三連符メインにしたりすると、さらにおしゃれさが増します。

こうなりました。

(メロディのみ)

これで、いったんメロディは完成です!

 

2.コード

2-1. リハモしよう!

ジャズの特徴として、おしゃれな響き、つまりおしゃれなコードがあります。
今回は、新しくコードを組み立てなおす、リハーモナイズ、略してリハモをやってみましょう。

まず、おしゃれな響きがする4和音のセブンスコードや、ノンダイアトニックコードを使います。ジャズといえばツーファイブワンというイメージがあったので、セカンダリードミナントを多用しつつそれをメインに組み立てました。

key:E♭
Fm7 | B♭7 | E♭M7 | A♭7 | D♭M7 | Cm7 C7/E | Fm7 B♭7 | E♭M7
(IIm7 | V7 | IM7 | IV7 | VII♭M7 | VIm7 VI7/I# | IIm7 V7 | IM7)

軽く解説すると、A♭7はD♭M7に対するセカンダリードミナント、(E♭M7も含めれば2-5-1)
Cm7 C7/E Fm7は、マイナーコードから強進行(4度上がる、または5度下がる)する時によく使われる進行。
もともとCm7→Fm7という進行に、メジャーにしたC7を挟み、ベースを滑らかにするためにオンコードにする。
ミ♭→ミ→ファという半音の流れができる。アニソンにもよく使われる。
(僕のコードの知識の大半はアニソンを分析したもの…)

(コードのみ)

2-2. ピアノパート打ち込み

先ほど決めたコードに沿って、まずはピアノパート(左手)を打ち込んでいきます。
また、この時点で、右手パートにも、音を重ねました。

打ち込む時のポイントは、余分な音を省く実際に弾ける譜面にする、の2点です。
ルート音はベースが弾くので、できるだけピアノでは鳴らさない、
コードの響きを決める3度と7度は大事なので、余った5度も鳴らさなくてもいいです。

できたものがこちらになります。

key:E♭
Fm7 | B♭7 | E♭M7 | A♭7 | D♭M7 | Cm7 C7/E | Fm7 B♭7 | E♭M7
(IIm7 | V7 | IM7 | IV7 | VII♭M7 | VIm7 VI7/I# | IIm7 V7 | IM7)

2-3. ベースパート打ち込み

ベースはウォーキングベース風にします。ウォーキングベースは、優雅に歩いていくように音程が上がったり下がったりするベースです。(たぶん聞いた方が早い)
また、普通に弓で弾くのではなく、指ではじいて音を出す奏法、ピッツィカートを使います。

ポイントは、コードが変わるタイミングはルート音を使う、間はルート5度をメインに滑らかにつなげること。

こうなりました。

key:E♭
Fm7 | B♭7 | E♭M7 | A♭7 | D♭M7 | Cm7 C7/E | Fm7 B♭7 | E♭M7
(IIm7 | V7 | IM7 | IV7 | VII♭M7 | VIm7 VI7/I# | IIm7 V7 | IM7)

(ピアノとベースのみ)

 

3.ドラム

さて、最後にドラムパートです。そこまで難しいことはしていないはず。
まず、メロディよりも前に、フィルインを挟んで、曲が始まる前のクッションにします。
また、おしゃれにするために、ゴーストノートと呼ばれる、音が小さいが、ノリを出すために大事な音を入れています。今回はロールにしています。

(ドラムパートのみ)

 

4. 完成!!!

ここまで作ってきたものをすべて重ねて、音量バランスなどを整えて完成です!!!
完成したものがこちら

 

さいごに

ここまで見ていただきありがとうございました!
さくっとジャズ風アレンジを解説するもりが、どうしても多くなってしまいました…
ぶっちゃけ、私はジャズを演奏したことはないので、しっかりジャズを学んだ方からするとお見苦しい点あると思いますが、これでジャズっぽく聞かせることは十分できると思います。

他の方は分かりませんが、私は普段このような流れで曲を作ったり、アレンジしたりしています。
ただ、書いたことをじっくり考えながらアレンジした…という訳ではなく、実はかなりの部分を感覚で作っています。既存の曲を分析したり、曲を作ってきたりした経験かもしれません。
もし、曲を作るのにまだ慣れてないなら、最初は理論通り、解説通りやってみて、そのあとは理論なんて気にせず試行錯誤して、自分が良いと思うものを作ってもらえたらな、と思います!

それでは!

使用ソフト・音源

DAW:Domino、Reaper、
ピアノ:Ivory ||
ベース:Tokyo Scoring Strings
ドラム:BFD3

この記事を書いた人

斑鳩いか

大阪電気通信大学 総合情報学部デジタルゲーム学科1回生 電ch!に片足をつっこみつつ、音楽が好きで作曲勉強中...くコ:彡